ウェイブソアリング飛騨

クラブ代表挨拶  


  ウェイブソアリング飛騨 代表   山中   滋 (2015年1月)

 全国のグライダー仲間の皆さんに、飛騨エアパークをホームベースにし、小粒ながら雄大な北アルプスの飛行も楽しんでいるクラブ ウェイブソアリング飛騨を紹介します。


 私どもは平成13(2001)年3月より 以前関西エアロスポーツクラブで使用していましたタンデムフアルケ(SF28A)JA2177を関西エアロの会員である 山田正勝氏*(元全日空キャプテン)を経由して譲りうけて運航を開始しました。当初、山田正勝氏のベースでありました福井空港でのスタートし、2ヶ月程で三重県の櫛田川滑空場へ移り活動し、その後8月に現在の飛騨エアーパークを本拠地(定置場所)に決め本格的に活動を開始しました。

  *山田正勝氏はオーストラリアのナロマインでグライダー事業を10年間運営された後帰国し、当クラブの主任教官を2013年から務めていますが、2014年に高山市でウイングスコーポレーションを設立して使用事業を開業しています。
 
 このモーターグライダー(タンデムフアルケSF28A)は加藤・山中共同所有とし、オーナーを中心にクラブを結成して運営を始めましたが、2007年8月には、大澤・篠崎共同所有の グローブG-109Bをクラブ機として借用し、モーターグライダー2機体制の運用になりました。

 会員もこじんまりと25名程です。休日を中心に高山市内上空の飛行、飛騨エアパーク周辺の山々や乗鞍岳を利用した慣熟飛行、白川郷、北アルプス槍ケ岳、穂高連峰、立山、剱岳、白馬岳、中央アルプス、南アルプスなどの山岳地の空を飛んでいます。ナビゲーションでは、富山空港や福井空港、能登空港、松本空港、名古屋空港、佐渡空港、関東方面、関西方面への出かけます。操縦教育訓練やライセンス取得訓練では、富山空港や福井空港、能登空港、名古屋空港などへナビの訓練で頻繁に飛行しています。


 飛騨エアーパークは全国に8ケ所ある農道離発着場の1つであります。私は元中部日本航連盟のメンバーでもあり、飛騨エアーパークをグライダー飛行の活動場所として開拓する時に、計画者の一人として岐阜県庁に交渉に何度か通い中航連恒例の飛騨合宿開催までこぎ着けることができました。

当時、飛騨エアーパークは立派な滑走路があるものの機体を入れる格納庫がありませんでしたので、飛騨でモーターグライダーの運航を始めて最初に困ったのは、やはり格納庫がないことでした。勿論、タンデムフアルケは分解保管が出来ますが我々の希望は、折角目のまえに飛行場があるのに時間を掛けて分解組み立てを毎回繰り返すのは止めて、何とか格納庫を作ろうと決心しました。

しかし十分な資金の余裕がありませんでしたので、試行錯誤の末会員の団結で図面を引いて手造りで作る事になりました。ここで登場するのはやはり人の繋がりと友情です。いろんな人の協力をいただきました。

 地元の地主さんに話をつけて頂く人を通じて土地の借用から始まり、岐阜県の担当者との折衝、建築図面を引いてくれた人、仕事を後回しにしてまで場所の提供と溶接をしてくれた会員、クーレン屋さん、ガラス屋さんいろんな会員と会員外の人々協力の御蔭を持ちまして、自慢の格納庫が2003年に完成しました。ここに改めて協力いただきました方々お礼を申し上げます。

 

 今は、クラブ専用の格納庫にタンデムフアルケ(SF28A)JA2177とグローブG-109Bの2機を組み立てたまま保管しており(*)、モーターグライダーは最低2人そろえば、格納庫からエプロンに引き出して直ちに飛行可能で理想的な姿で運用しております。昨年から曳航機ロバンDR400も駐機しているので常時3機を駐機しており、中航連が合宿する春秋には、曳航機ハスキーも飛来するのでこの格納庫には、組んだままの4機が格納され賑やかになります。

 *会員共同所有の複座ピュアグライダーグローブG-103Aもクラブ機として運用していますが、枕崎グライダークラブとの共同合宿や中航連との春秋の合宿以外は分解保管しています


 飛騨では春になると里に花が咲き始めて長い冬の雪より開放されます。4月より飛騨エアパークで活動開始です。まだ北アルプスは白い雪の山です。御嶽山 乗鞍岳 穂高連峰 焼岳 槍ケ岳 剣岳 黒四ダムから薬師岳と上高地など、青い空を背に白い雪をかぶった『一万尺の山々』の山肌を真近かに見ながら飛ぶのは、言葉にならないなんとも言えない感動があり楽しみです。

 日本の屋根北アルプスの四季は本当にすばらしいものがあります。しかし、山岳フライトはなんと言っても地形と風と気象の変化を熟知していないと飛べません。平地で飛んでいるのとは全く違います。

私どものモーターグライダーはグライダーですからエンジンを止めて滑翔も楽しむことができます。タンデムフアルケの場合、滑空比は26(95km/h)です鋼管羽布張りでASK13程度の性能で滑翔することができます。馬力は60馬力と少し小さいですがのんびりと飛行するのも余裕があって良いものです。

モーターグライダーは、エァーワークの訓練は勿論、ピユアグライダーでは出来ない、山岳地区の地形慣熟飛行や気流調査、飛行ルートの開拓、特に飛騨エアパークから現在、ピュアではまだ一握りのパイロットだけにしか実績のない立山、剣岳、白馬岳など北アルプスの奥までモーターグライダーで飛行可能で、幅広い使い方ができます。


 先ほど触れましたが、我々ウエイブソアリング飛騨の活動は、休日祝日に仲間が集まれば、積雪期の1-3月を除き(*)、年中いつでも活動しています。山岳地で上昇気流の強い春、紅葉の綺麗な秋は素晴らしい時期です。春のゴールデンウイークおよびその前後と秋の高山祭りのある10月には、中部日本航空連盟の合宿飛行が毎年数週間にわたり開催されるので、合同で参加しており、一年中で一番賑わったグライダーの時期になります。

(*)冬季12月−3月は、G109Bを1機ですが、名古屋空港に駐機して飛行しています。ATCの訓練、夜間飛行、鈴鹿山脈でのウエーブ、強い風の中での訓練など、飛騨とは違う飛行を楽しむことができます。


山岳飛行入門を経験されたいグライダーフアンの方、名古屋空港ベースで陸単機並みの飛行を楽しまれたい方、お近くにおいでの節は是非お声かけてください。いつでもウエルカムです。

  ウェイブソアリング飛騨連絡先  yama125@mb.ccnw.ne.jp(山中 滋)